介護保険施設(特養・老健・介護医療院)の法定研修まとめ|義務なのはどれ?回数は?(2026年版)
更新日:2026-07-13・約5分で読めます
介護老人福祉施設(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院といった介護保険施設で義務となる法定研修を、頻度・委員会・減算まで一気に整理します。施設系は訪問・通所系より義務が重い分野が多く、「介護保険施設だけ」に義務がある分野もあります。取り違えやすいポイントを一次資料の裏取り範囲でまとめました。
まず結論:介護保険施設はほぼ全分野が「もっとも重い義務」
介護老人福祉施設(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院は「介護保険施設」として、訪問系・通所系・居宅介護支援等より義務の頻度・体制が重く設定されている分野が複数あります。訪問・通所向けの研修計画をそのまま流用すると、頻度不足や委員会の設置漏れにつながるおそれがあるため注意が必要です。
施設系で押さえるべきは、①高齢者虐待防止②身体的拘束等の適正化③感染症対策④業務継続計画(BCP)⑤事故発生の防止(安全管理)⑥認知症介護基礎研修の6分野です。このうち⑤事故防止の委員会・指針・研修・安全対策担当者の設置義務は、介護保険施設だけに課され、他のどのサービス類型にもありません。
義務研修と頻度の一覧(介護保険施設)
高齢者虐待防止・感染症対策・業務継続計画(BCP)は、令和6年(2024年)4月1日から完全義務化されています(経過措置は終了済み)。身体的拘束の委員会・指針・研修は従前から施設系に義務づけられています。事故発生の防止(安全管理)体制は令和3年度改定で義務化されました。
- 高齢者虐待防止:義務。研修は年2回以上+新規採用時、虐待防止検討委員会・指針整備・担当者設置が必要。未実施は所定単位数の1%減算(令和6年度新設)。
- 身体的拘束等の適正化:委員会(3か月に1回以上)・指針の整備・研修(年2回以上+新規採用時)が義務。訪問・通所系のような「記録のみ」ではありません。未実施の減算は1日につき所定単位数の10%(平成30年度から)。
- 感染症対策:義務(委員会・指針・研修・訓練)。委員会はおおむね3か月に1回以上、研修は年2回以上+新規採用時、訓練は年2回以上と、訪問・通所系(委員会おおむね6か月・研修訓練各年1回)より頻度が高い設定です。研修未実施そのものへの減算はなし(運営指導の対象)。
- 業務継続計画(BCP):感染症・災害の両方の策定・定期的な見直しが義務。研修・訓練は各年2回以上+新規採用時。未策定減算は所定単位数の3%(訪問・通所系の1%より高い率)。
- 事故発生の防止(安全管理):委員会(事故発生防止検討委員会)・指針の整備・研修(年2回以上+新規採用時)・安全対策担当者の設置が義務。未実施は安全管理体制未実施減算(1日5単位・令和3年度新設)。
- 認知症介護基礎研修:無資格で介護に直接携わる職員に受講義務(外部eラーニング等・受講1回、新規採用の無資格者は採用後1年間の猶予)。
介護保険施設ならではの対象・対象外整理(訪問・通所系との違いに注意)
介護保険施設は義務が重い分野が多い一方、他のサービス類型向けの資料をそのまま使うと、施設だけに課された義務を見落とすおそれがあります。取り違えやすい点を整理します。
- 事故発生の防止(安全管理)の委員会・指針・研修・安全対策担当者:義務があるのは「介護保険施設」(特養・老健・介護医療院)のみです。訪問系・通所系・グループホーム等の地域密着型サービスは、この体制整備の義務はありません(事故発生時の対応・記録・報告は全サービス共通の義務です)。
- 身体拘束・感染症・BCP:訪問系・通所系では「記録のみ」「委員会おおむね6か月に1回・研修年1回」「減算1%」だった分野が、施設系では「委員会・研修義務あり」「研修年2回」「減算10%/3%」と重くなります。他類型向けの資料を流用しないよう注意してください。
- 認知症介護基礎研修:訪問系(訪問入浴介護を除く)・福祉用具貸与・居宅介護支援は対象外ですが、施設系は対象です。
全サービス共通で必要な分野(頻度の法定なし)
倫理・法令遵守(運営基準の研修機会確保義務)、個人情報・プライバシー保護(秘密保持・安全管理措置の実効性を担保する手段としての研修)、ハラスメント対策(パワハラ・セクハラの措置義務。カスタマーハラスメントは2026年10月1日から措置義務化)は、施設系を含む全サービス共通で必要です。回数の法定はありませんが、計画的な実施が求められます。
記録・委員会運営に残すこと
介護保険施設は虐待防止・身体拘束・感染症・BCP・事故防止のそれぞれで委員会(または委員会に準じる検討の場)の運営が求められるため、議事録・指針・研修の実施記録・出席簿が他類型より多くそろいます。誰が・いつ・どの委員会でどのテーマを検討したかを整理して保管し、認知症介護基礎研修は対象職員ごとの受講状況を一覧で管理しておくと、運営指導で体制の実効性を説明しやすくなります。
無料で使える研修キットと年間計画表
本サイトでは、虐待防止・身体拘束・感染症対策・BCP・事故防止(安全管理)・認知症介護基礎研修などテーマ別の研修キット(読み上げレジュメ・確認テスト10問・実施記録様式・出席簿、認知症介護基礎研修は受講案内+受講記録様式)を無料でご利用いただけます。「義務研修一覧表」でサービス類型に「施設系」を選べば、介護保険施設に必要な研修だけを絞り込んだ一覧と、頻度に応じて月を自動配置した年間計画表が作れます。登録不要・無料、入力はブラウザ内にのみ保存され外部送信はありません。
法令・介護報酬は改定されます(本記事は2026年7月時点)。最終的な適用は指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へご確認ください。
出典(一次資料)
【免責事項】本キットは研修実施の参考資料です。法令・運営基準・介護報酬の内容は改定されることがあります。実際の運用にあたっての最終確認は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へのご確認をおすすめします。本キットの利用により生じた損害について、提供者は責任を負いかねます。