認知症介護基礎研修とは?対象者・免除される資格・いつまでに受講(完全義務化)
更新日:2026-07-04・約5分で読めます
認知症介護基礎研修は、無資格で介護に直接携わる職員に受講が義務づけられている研修です(令和6年4月から完全義務化)。誰が対象で、どんな資格があれば免除されるのか、いつまでに受ければよいのかを、一次資料の裏取り範囲で整理します。
まず結論:無資格で介護に直接携わる職員に受講が義務
認知症介護基礎研修は、運営基準により、介護に直接携わる職員のうち医療・福祉関係の資格を持たない者に受講させることが義務づけられています(例:平成11年厚生省令第37号第101条第3項)。令和3年度改定で導入され、3年間の経過措置が令和6年3月末で終了したことで、令和6年(2024年)4月から完全義務化されています。
これは事業所内で行う通常の研修とは異なり、都道府県・指定機関が実施する外部研修(eラーニングでの受講が中心)です。事業所は、対象となる職員にこの研修を受講させるための必要な措置を講じる義務を負います。
対象になる職員・ならないサービス
対象は「無資格で、介護に直接携わる」職員です。直接介護に関わらない事務職などは対象になりません。また、サービス類型によっては受講義務の対象外とされているものがあります。
- 対象:介護に直接携わる、医療・福祉の資格を持たない職員。
- 対象外のサービス:訪問系(訪問入浴介護を除く)・福祉用具貸与・居宅介護支援。
- 施設系・通所系・短期入所系・多機能系・認知症グループホームなどは対象。
免除される資格
一定の資格を持つ職員は、認知症介護基礎研修の受講が免除されます。すでに認知症ケアの基礎的な知識を学んでいるとみなされるためです。代表的な免除対象は次のとおりです(詳細は都道府県のFAQ等でご確認ください)。
- 介護福祉士、介護職員実務者研修・初任者研修(旧ヘルパー2級等を含む)の修了者。
- 看護師・准看護師、社会福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)。
- 医師、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)等。
いつまでに受講する?——新規採用者は1年の猶予
経過措置は令和6年3月末で終了しているため、現在は対象職員に受講させることが完全に義務化されています。新たに採用した無資格の職員については、採用後1年間の猶予が設けられており、その間に受講させれば差し支えありません。
研修は原則として一度受講すればよく、更新の定めはありません。受講が済んでいない対象職員がいる場合は、早めに受講計画を立てておきましょう。
事業所がやること(受講管理・記録)
この研修は外部で受講するため、事業所側の主な役割は「対象者の把握」と「受講状況の管理・記録」です。誰が対象で、誰が受講済みで、誰がいつまでに受講予定かを一覧で管理しておくと、運営指導で受講義務の履行を示せます。受講の申込先・費用・実施時期は都道府県や指定機関によって異なるため、各自治体の案内をご確認ください。
「認知症介護基礎研修」と、その先の研修との違い
認知症に関する研修にはいくつかの段階があり、名前が似ているため混同されがちです。今回義務化されている「認知症介護基礎研修」は、無資格の職員が最初に受ける“入り口”の研修で、eラーニングで比較的短時間に受講できます。その先には、より実践的な「認知症介護実践者研修」、さらに指導的立場に向けた「認知症介護実践リーダー研修」「認知症介護指導者養成研修」といった段階があります。
また、認知症対応型のサービスでは、管理者や計画作成担当者などに別の研修が求められる場合があります。本記事で義務化を扱っているのは、あくまで無資格の直接介護職員が受ける“基礎研修”です。どの研修が誰に必要かは、職種・役割・サービス類型によって異なるため、都道府県の案内で確認してください。
- 認知症介護基礎研修:無資格の直接介護職員向けの入り口(今回の義務化の対象)。
- 認知症介護実践者研修・実践リーダー研修・指導者養成研修:より実践的・指導的な段階。
- 管理者・計画作成担当者向けの研修は別枠(役割に応じて必要な場合がある)。
頻度は「受講1回」——虐待防止・BCPのような毎年の反復研修ではない
虐待防止研修やBCP訓練など、多くの法定研修は「年1回以上」「年2回以上」といった頻度で毎年繰り返す必要がありますが、認知症介護基礎研修はこれらと性質が異なります。義務づけられているのは対象職員1人につき「受講1回」で、一度受講すれば同じ職員に毎年繰り返し受講させる必要はありません。年間研修計画を立てるときに、他の年次研修と同列に「今年も全員分を予定する」と考えてしまうと、既に受講済みの職員にまで受講を求めてしまい、非効率になります。
管理すべきは「まだ受講していない対象職員が何人いるか」という残数であり、「今年度、何回実施したか」という回数ではありません。新規採用の無資格職員が入るたびに、その人が受講済みかどうかを個別に確認する運用が実務的です。
つまずきどころ:「対象外の類型」と「対象外の職員」の2つの軸を混同しない
受講義務の対象外には、2つの異なる軸があります。ひとつは「サービス類型」による対象外(訪問系〔訪問入浴介護を除く〕・居宅介護支援・福祉用具貸与)、もうひとつは「職員」による対象外(医療・福祉資格を持つ職員)です。この2つを混同すると判断を誤りやすくなります。
例えば、対象となる類型(施設系や通所系など)であっても、介護福祉士など有資格の職員であれば、その職員個人は受講対象外です。逆に、対象外の類型(訪問系など)であれば、無資格の直接介護職員であっても、その類型自体が対象外のため受講義務はかかりません。「この職員は受講対象か」を判断するときは、まず自事業所のサービス類型が対象かどうかを確認し、次にその職員が資格を持っているかどうかを確認する、という2段階で考えると取り違えを防げます。
無料で使える受講案内・受講記録様式
本サイトの「認知症介護基礎研修の受講案内」キットは、外部研修という性質にあわせて、受講の案内(対象者・免除・受講の流れ)と、受講者の一覧で受講状況を管理できる受講記録様式を用意しています。登録不要・無料で、入力はお使いのブラウザ内にのみ保存され、外部には送信されません。対象職員の受講漏れ防止にお使いください。
出典(一次資料)
【免責事項】本キットは研修実施の参考資料です。法令・運営基準・介護報酬の内容は改定されることがあります。実際の運用にあたっての最終確認は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へのご確認をおすすめします。本キットの利用により生じた損害について、提供者は責任を負いかねます。