新規採用者に必要な介護研修まとめ|入職時にやるべき研修と受講義務
更新日:2026-07-07・約5分で読めます
職員を新しく採用したら、入職時にどの研修を実施すべきか——虐待防止・身体拘束・感染症・事故防止など「新規採用時研修」が定められた分野と、無資格者の認知症介護基礎研修の受講義務を、サービス類型ごとの違いに注意しながら一次資料の裏取り範囲で整理します。採用時研修の抜けは運営指導で指摘されやすいポイントです。
まず結論:入職時研修は「定期研修」とは別に必要
介護の法定研修の多くは「年◯回以上」という定期の実施頻度が定められていますが、それとは別に「新規採用時に必ず実施する」ことが求められる分野があります。年2回の定期研修をきちんと行っていても、年度の途中で入った職員への入職時研修が抜けていると、運営指導(旧・実地指導)で指摘されることがあります。
入職時に必要な研修は、大きく3つに分けて考えると整理しやすくなります。①採用時研修が明文で求められる分野(虐待防止・身体拘束・感染症・事故防止・BCPなど)、②無資格の介護職員に受講義務がある認知症介護基礎研修、③入職時にあわせて周知しておきたい分野(個人情報・倫理・ハラスメント)です。以下、順に見ていきます。
- 定期研修(年◯回)と、新規採用時研修は別。両方を記録に残す。
- 入職時研修の抜けは、運営指導で指摘されやすい典型例。
①採用時研修が求められる分野——ただし類型で範囲が違う
「新規採用時に必ず実施する」ことが解釈通知等で求められる分野は、次のとおりです。重要なのは、同じ分野でもサービス類型によって採用時研修の位置づけ(必須か、望ましいか)が変わる点です。自事業所の類型で確認してください。
- 高齢者虐待防止:全サービスで、新規採用時に必ず実施します(定期研修は施設・居住系=年2回以上、その他=年1回以上)。
- 身体的拘束等の適正化:施設・居住系・短期入所系・多機能系で、研修は年2回以上+新規採用時に必ず実施します(訪問・通所等は原則禁止+記録が中心)。
- 感染症対策:施設系・居住系(特定施設・グループホーム)は研修 年2回以上+新規採用時に必ず。通所系・訪問系などでは、新規採用時研修は「望ましい(推奨)」とされ、必須ではありません。
- 事故防止(安全管理):介護保険施設で、研修 年2回以上+新規採用時に必ず実施します。
- BCP(業務継続計画):施設系・居住系では、研修に新規採用時研修が含まれます(その他の類型は各年1回以上で、採用時研修の明文はありません)。
②認知症介護基礎研修——無資格の介護職員は受講が義務
新しく採用した職員が、介護に直接携わる無資格者の場合、認知症介護基礎研修の受講が義務づけられています。これは事業所内で行う研修ではなく、都道府県・指定機関が実施する外部研修(eラーニング中心)です。令和6年(2024年)4月から完全義務化されています。
新規採用者については、採用後1年間の猶予が設けられており、その間に受講させれば差し支えありません。ただし、猶予に甘えて放置すると受講漏れにつながるため、入職時に「対象かどうか(無資格で直接介護に携わるか)」を確認し、受講計画に組み込んでおくのが安全です。介護福祉士・実務者研修/初任者研修修了者・看護師などの有資格者は受講が免除されます。訪問系(訪問入浴を除く)・福祉用具貸与・居宅介護支援は対象外です。
- 対象:無資格で、介護に直接携わる新規採用職員。
- 猶予:採用後1年以内に受講すればよい。
- 免除:介護福祉士・初任者/実務者研修修了者・看護師・社会福祉士等。
③入職時にあわせて周知したい分野(個人情報・倫理・ハラスメント)
次の分野は「新規採用時研修」として頻度に明文があるわけではありませんが、いずれも入職時に周知しておくのが実務的です。日々の業務で個人情報や利用者の尊厳に直接かかわるため、入職の早い段階で基本を共有しておくと、不適切な対応やトラブルを未然に防げます。
- 個人情報・プライバシー保護:秘密保持・安全管理措置は義務。SNS投稿や記録の持ち出しなど、入職時に守ってほしい基本ルールを伝える。
- 倫理・法令遵守:運営基準の「研修機会の確保義務」。利用者の尊厳の保持・権利擁護は、入職時に土台として共有したいテーマ。
- ハラスメント対策:パワハラ・セクハラは措置義務。カスタマーハラスメントは2026年10月1日から措置義務化されるため、相談窓口・対応方針を早めに周知する。
進め方:入職手続きに「研修と記録」を組み込む
採用時研修の抜けを防ぐ最も確実な方法は、入職手続きのチェックリストに研修項目を組み込むことです。「雇用契約・書類提出」と並べて「虐待防止・身体拘束・感染症・事故防止などの入職時研修を実施し、記録を残す」「無資格者は認知症介護基礎研修の受講対象か確認する」を定型のステップにしておけば、担当者が代わっても抜けにくくなります。
入職時に実施した研修も、定期研修と同じように実施記録・出席簿を残します。当日に集合研修ができない場合は、レジュメの読み合わせや資料の確認でも差し支えありませんが、「いつ・誰が・何を学んだか」を必ず記録に残してください。運営指導では、この記録の有無が確認されます。
無料で使えるレジュメ・確認テスト・受講管理様式
本サイトでは、虐待防止・身体拘束・感染症・事故防止などテーマ別の研修キット(読み上げレジュメ・確認テスト10問・実施記録様式・出席簿)を無料でご利用いただけます。入職時研修にそのまま使え、印刷(PDF保存)して記録に残せます。認知症介護基礎研修は外部研修のため、受講状況を一覧で管理できる受講記録様式を用意しています。
登録不要・無料で、入力内容はお使いのブラウザ内にのみ保存され、外部には送信されません。法令・介護報酬は改定されます(本記事は2026年7月時点)。最終的な適用は指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へご確認ください。
出典(一次資料)
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