看取りの研修は義務?加算要件としての位置づけと研修で扱うこと
更新日:2026-07-04・約3分で読めます
看取りに関する職員研修は、すべての事業所に課される「義務研修」ではなく、看取り介護加算などの「加算要件」として求められるものです。どの加算に関係するのか、加算を算定するなら何が必要か、研修で何を扱うのかを一次資料の裏取り範囲で整理します。
まず結論:看取り研修は「義務」ではなく「加算要件」
看取りに関する研修は、虐待防止や身体拘束のように運営基準で全事業所に課される「義務研修」ではありません。看取り介護加算などの算定要件(施設基準)の一つとして、「看取りに関する職員研修の実施」が求められる、という位置づけです。
したがって、看取り介護加算等を算定しない事業所には、看取りに関する研修の実施義務はありません。逆に、これらの加算を算定する(しようとする)事業所にとっては、研修の実施が算定の前提条件になります。「義務ではないが、加算を取るなら必須」と理解しておくと整理しやすいでしょう。
- 看取り研修=運営基準上の全事業所共通の義務ではない。
- 看取り介護加算等を算定するなら、研修の実施が算定要件になる。
どの加算に関係する?
看取りに関する研修が要件となる加算は、サービス類型によって異なります。本サイトでは次のように整理しています(加算の詳細な単位数・算定要件は告示・最新の報酬改定資料と指定権者の確認が必要です)。
- 施設系・認知症グループホーム:看取り介護加算 等。
- 看護小規模多機能型など:看取り連携体制加算 等。
- 訪問看護:ターミナルケア加算 等。
- 通所系・居宅介護支援・福祉用具貸与・短期入所生活介護:看取りに関する研修の義務・加算要件は原則ありません。
加算を算定するなら、研修は指針・説明同意と並ぶ要件
看取り介護加算などでは、職員研修の実施だけでなく、看取りに関する指針の策定、本人・家族への説明と意思の確認、多職種による連携体制などが一体の要件として求められます。研修はそのうちの一つで、指針の内容を職員に浸透させ、チームで一貫した看取りのケアを行えるようにする役割を担います。
算定を目指す場合は、研修を単発で終わらせず、指針・説明同意の運用・記録とセットで整えることが大切です。
研修で扱う内容
看取りの研修では、人生の最終段階における本人の意思の尊重と、家族への支援、そしてケアにあたる職員自身の支えを扱います。医療的な判断は医師が担いますが、日々のケアを行う職員が、尊厳を守るかかわり方と、チームでの連携・情報共有を身につけることが目的です。
- 人生の最終段階における医療・ケアの意思決定支援(本人の意思の尊重・ACPの考え方)。
- 看取り期の状態の理解と、苦痛の緩和に向けた多職種連携(医師・看護職との連携)。
- 本人・家族への説明と同意、家族への精神的支援。
- 看取り後の家族へのグリーフケアと、かかわった職員へのデスカンファレンス等の支え。
- 急変時の対応方針の共有(自己判断で医療行為をしない・指示系統の確認)。
記録として残すもの
研修を実施したら、日時・参加者・内容を実施記録と出席簿に残します。看取り介護加算等を算定する場合は、指針や本人・家族への説明・意思確認の記録とあわせて保管し、算定要件を満たしていることを示せるようにしておきましょう。個々の利用者の医療・ケアの方針は、必ず医師をはじめとする多職種の判断にもとづいて決定してください。
無料で使える看取り研修キット
本サイトの「看取りに関する研修キット」には、看取りの基本的な考え方をそのまま読み上げられるレジュメ、確認テスト10問、実施記録様式、出席簿がそろっています。登録不要・無料で、入力はお使いのブラウザ内にのみ保存され、外部には送信されません。加算の算定要件の詳細は、最新の報酬改定資料と指定権者にご確認ください。
【免責事項】本キットは研修実施の参考資料です。法令・運営基準・介護報酬の内容は改定されることがあります。実際の運用にあたっての最終確認は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へのご確認をおすすめします。本キットの利用により生じた損害について、提供者は責任を負いかねます。