排泄ケアの研修の組み立て方——運営基準の「排せつの自立」とおむつ交換、排せつ支援加算の評価、訪問介護の排泄介助の流れと感染対策(2026)
更新日:2026-11-05・約18分で読めます
排泄ケア(排せつの介助・おむつ交換)の研修は、運営基準で名指しされた法定研修ではありません。一方で、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院・短期入所・特定施設の運営基準は、排せつの自立について必要な援助を行うことを事業者に求め、施設と短期入所には、おむつを使用せざるを得ない人のおむつを適切に取り替えることも求めています(ユニット型の条文と、介護予防短期入所生活介護の平成18年厚生労働省令第35号 第145条第3項は、「援助」でなく「支援」という書き方です)。特別養護老人ホームの解釈通知は、おむつ交換は「頻繁に行えばよいということではなく」、排せつ状況を踏まえて行うとしています。この記事は、省令・解釈通知・告示・留意事項通知・国のQ&A・訪問介護の行為区分の通知・感染対策の手引きの本文を確かめ、サービスごとの条文、研修で扱う内容、排せつ支援加算を算定する施設で足すこと、60分の時間割、記録に残すことを整理しました(2026年11月時点)。失禁の診断や治療、尿道カテーテルの管理の手技、加算の単位数と届出の書き方は扱いません。
サービス類型別の義務研修一覧・年間計画表
サービス類型ごとの義務一覧・年間計画表
まず結論:排泄ケアの研修は法定研修ではない。施設・短期入所・特定施設の運営基準は「排せつの自立」の援助を求めている
確認した運営基準(省令)と解釈通知に、排泄ケアの研修を名指しして義務づけた規定はありません。排泄ケアの研修は、虐待防止・感染症などの法定研修とは別に、事業所が自ら組み立てる研修です。ただし運営基準は、施設・短期入所・特定施設に対して、心身の状況に応じ、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行うことを求め、施設と短期入所には、おむつを使用せざるを得ない人のおむつを適切に取り替えることも求めています(根拠は次の節)。研修は、この条文を日々のケアでどう満たすかを職員の間でそろえる場になります(当社の整理)。
排せつ支援加算(介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院・看護小規模多機能型居宅介護)の告示の基準にも、研修の要件はありません。要件は評価・原因の分析・支援計画の作成と見直しなので、計画に沿って毎日支援する職員が、評価の項目と計画の内容を知っていることが前提になります(当社の整理)。
- 運営基準に「排せつの自立」の援助の規定があるサービス:介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、短期入所生活介護・短期入所療養介護(介護予防を含む)、特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護(介護予防を含む)。おむつの取り替えの規定は、このうち施設と短期入所にあり、特定施設の条文にはありません。
- 訪問介護:運営基準は「入浴、排せつ、食事等の介護」を介護等の例に挙げています(平成11年厚生省令第37号 第29条の2)。国の通知(老計第10号)は、身体介護の排泄介助を、トイレ利用・ポータブルトイレ利用・おむつ交換の一連の流れで例示しています。
- 認知症対応型共同生活介護・小規模多機能型居宅介護:介護の条文(平成18年厚生労働省令第34号 第99条・第78条)は、利用者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、適切な技術をもって介護を行うことを求めていますが、「排せつ」の語はありません。排泄ケアの研修を行うことは妨げられません(当社の整理)。
- 組み立て(当社の整理):①自サービスの条文と解釈通知の読み合わせ ②一人ひとりの排せつの状況の記録の読み方 ③トイレ誘導・ポータブルトイレ・おむつ交換の手順の確認 ④感染対策 ⑤尊厳とプライバシー ⑥記録と、次回までに直すこと。
- 別の記事で扱うこと:皮膚の観察と褥瘡は「褥瘡予防の研修」、排泄物・嘔吐物の処理と消毒は「嘔吐物処理の手順と研修・訓練」、前かがみの姿勢による腰の負担は「腰痛予防研修の組み立て方」、排泄介助の場面の不適切なケアは「不適切ケアに気づく研修の組み立て方」の記事。
- 書かないこと:失禁の診断や治療、薬、尿道カテーテルの管理の手技(事業所の医師・看護職員の判断と手順に委ねます)、排せつ支援加算の単位数と届出の書き方。
根拠:サービスごとの運営基準の条文
e-Gov法令APIで各省令の現行本文を取得し、「排せつ」「おむつ」の語がある条文を確かめました。
| サービス | 省令と条文 | 排せつの自立の援助 | おむつの取り替え |
|---|---|---|---|
| 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 平成11年厚生省令第39号 第13条第3項・第4項(ユニット型は第43条第4項・第5項) | あり | あり |
| 地域密着型介護老人福祉施設 | 平成18年厚生労働省令第34号 第139条第3項・第4項(ユニット型は第163条第4項・第5項) | あり | あり |
| 介護老人保健施設 | 平成11年厚生省令第40号 第18条第3項・第4項(ユニット型は第44条第4項・第5項) | あり | あり |
| 介護医療院 | 平成30年厚生労働省令第5号 第21条第3項・第4項(ユニット型は第48条第4項・第5項) | あり | あり |
| 短期入所生活介護 | 平成11年厚生省令第37号 第130条第3項・第4項(ユニット型は第140条の8第4項・第5項)。介護予防は平成18年厚生労働省令第35号 第145条第3項・第4項(ユニット型は第161条第4項・第5項) | あり | あり |
| 短期入所療養介護 | 平成11年厚生省令第37号 第150条第3項・第4項(ユニット型は第155条の7第4項・第5項)。介護予防は平成18年厚生労働省令第35号 第200条第3項・第4項(ユニット型は第212条第4項・第5項) | あり | あり |
| 特定施設入居者生活介護 | 平成11年厚生省令第37号 第185条第3項。地域密着型は平成18年厚生労働省令第34号 第120条第3項、介護予防は平成18年厚生労働省令第35号 第248条第3項 | あり | 条文になし |
従来型の条文は「排せつの自立について必要な援助を行わなければならない」「おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを適切に取り替えなければならない」、ユニット型は「排せつの自立について必要な支援を行わなければならない」「おむつを使用せざるを得ない入居者については、排せつの自立を図りつつ、そのおむつを適切に取り替えなければならない」という書き方です(短期入所は「利用者」)。例外として、介護予防短期入所生活介護(平成18年厚生労働省令第35号 第145条第3項)は、従来型でも「排せつの自立について必要な支援を行わなければならない」という書き方です(同じ省令の介護予防短期入所療養介護 第200条第3項・介護予防特定施設入居者生活介護 第248条第3項は「援助」)。介護老人保健施設と短期入所療養介護は「病状及び心身の状況に応じ」、介護医療院は「心身の状況、病状、その置かれている環境等に応じ」としています。研修の機会の確保は、例えば介護老人福祉施設は第24条第3項、訪問介護は平成11年厚生省令第37号 第30条第3項が求めています。
解釈通知が示すこと:特別養護老人ホームの「排せつの介護」と「おむつ交換」
特別養護老人ホームの解釈通知(老企第43号 第4の11 介護=基準省令第13条)は、条文の読み方を次のように示しています(厚生労働省の法令等データベースの現行本文で確認)。研修でこの文を読み合わせ、自施設の手順と照らし合わせると、何のための手順かが伝わります(当社の整理)。
- (1):介護サービスの提供に当たっては、入所者の人格に十分配慮し、施設サービス計画によるサービスの目標等を念頭において行うことが基本であり、自立している機能の低下が生じないようにするとともに残存機能の維持向上が図られるよう、適切な技術をもって介護サービスを提供し、又は必要な支援を行うものとする。
- (3):排せつの介護は、入所者の心身の状況や排せつ状況などをもとに、自立支援の観点から、トイレ誘導や排せつ介助等について適切な方法により実施するものとする。
- (4):入所者がおむつを使用せざるを得ない場合には、その心身及び活動の状況に適したおむつを提供するとともに、おむつ交換は、頻繁に行えばよいということではなく、入所者の排せつ状況を踏まえて実施するものとする。
- 研修に置き換えると(当社の整理):(3)は「一人ひとりの排せつの状況(時刻・量・本人の訴え)を記録から読み、トイレ誘導の時刻を決める」演習、(4)は「その人に合ったおむつ・パッドをどう選び、交換の時刻をどう決めているか」の確認に当たります。
- 介護老人保健施設・介護医療院・短期入所・特定施設の解釈通知の該当箇所は、この記事では本文を確認していません。同じ趣旨の記載があるかは、各サービスの解釈通知で確認してください。
排せつ支援加算を算定する施設で研修に足すこと:評価の4項目と支援計画
排せつ支援加算の基準(平成27年厚生労働省告示第95号 第71号の3・法令等データベースの現行本文で確認)は、加算(Ⅰ)として、(1)入所者又は利用者ごとに、要介護状態の軽減の見込みについて、医師又は医師と連携した看護師が施設入所時又は利用開始時に評価し、その後少なくとも3月に1回評価するとともに、評価結果等の情報を厚生労働省に提出し、排せつ支援の実施に当たって活用していること、(2)評価の結果、排せつに介護を要する人で、適切な対応を行うことにより要介護状態の軽減が見込まれるものについて、医師、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、排せつに介護を要する原因を分析し、それに基づいた支援計画を作成し、支援計画に基づく支援を継続して実施していること、(3)評価に基づき、少なくとも3月に1回、支援計画を見直していること、を挙げています。(Ⅱ)(Ⅲ)は、(Ⅰ)の基準に加えて、排尿・排便の状態の改善やおむつを使用しなくなったことなどを求めています。
研修の要件はありませんが、支援計画に基づく支援を毎日行うのは主に介護職員です。評価の項目と、計画に書かれた支援の内容を職員がそろえて知っておくことが、支援を継続して実施する前提になります(当社の整理)。
- 評価の項目:留意事項通知(老企第40号 第2の5(42)④・令和6年度改正後)は、評価を別紙様式6を用いて、(ア)排尿の状態、(イ)排便の状態、(ウ)おむつの使用、(エ)尿道カテーテルの留置について実施するとしています。介護保健施設サービスは第2の6(45)、介護医療院サービスは第2の8(39)で、第2の5(42)を準用しています。
- 「排せつに介護を要する入所者」:同じ通知の⑧は、(ア)若しくは(イ)が「一部介助」又は「全介助」と評価される者、又は(ウ)若しくは(エ)が「あり」の者をいうとしています。
- 「要介護状態の軽減が見込まれる」:同じ通知の⑨は、特別な支援を行わなかった場合には(ア)から(エ)の評価が不変又は低下となることが見込まれるものの、適切な対応を行った場合には評価が改善することが見込まれることをいうとしています。
- おむつの範囲:国のQ&A(令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)・介護保険最新情報 Vol.952 問102)は、排せつ支援加算(Ⅱ)(Ⅲ)の算定要件について、使用目的によっても異なるが、リハビリパンツの中や尿失禁パッドを用いた排せつを前提としている場合は、おむつに該当するとしています。同じQ&Aの問103は、おむつの使用がなくなった場合に改善と評価するもので、終日の使用が夜間のみになっても算定要件を満たすものではないとしています。
- 見守り等への変化:令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(介護保険最新情報 Vol.1225 問177)は、排尿又は排便の状態が一部介助から見守り等に変わった場合は、排せつの状態の改善と評価してよいとし、様式の「評価時点の排せつの状態」で「見守りや声かけ等のみで『排尿・排便』が可能」に「はい」が選択されている場合を見守り等とみなすとしています。
- 加算(Ⅰ)の対象:Vol.952 の問101は、排せつ支援加算(Ⅰ)は事業所単位の加算であり、入所者全員について排せつ状態の評価を行い、LIFEを用いて情報の提出を行う等の算定要件を満たしていれば、入所者全員が算定可能としています。
- 看護小規模多機能型居宅介護の留意事項通知の該当箇所は、この記事では本文を確認していません。指定権者(市町村)の案内で確認してください。
訪問介護:老計第10号の排泄介助の流れを、研修の手順書にする
国の通知「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(平成12年3月17日 老計第10号)は、身体介護の「1-1-1 排泄介助」を、トイレ利用・ポータブルトイレ利用・おむつ交換の3つに分けて、一連の流れを例示しています(平成30年3月30日 老振発0330第2号の新旧対照表の改正後の欄で確認)。通知は、示した流れは「あくまで例示」であり、実際には利用者個々人の身体状況や生活実態等に即した取扱いが求められるとしています。
流れの要約と、研修で確かめることを分けました。研修で確かめることは当社の整理です。
| 区分 | 通知が例示する流れ(要約) | 研修で確かめること(当社の整理) |
|---|---|---|
| トイレ利用(1-1-1-1) | トイレまでの安全確認→声かけ・説明→トイレへの移動(見守りを含む)→脱衣→排便・排尿→後始末→着衣→利用者の清潔介助→居室への移動→ヘルパー自身の清潔動作。場合により、失禁・失敗への対応(汚れた衣服の処理、陰部・臀部の清潔介助、便器等の簡単な清掃を含む)。 | 移動の途中で転ばないための確認の順番。本人ができる動作(脱衣・後始末など)を本人に行ってもらう声かけ。失敗した時に本人を責めない言葉。 |
| ポータブルトイレ利用(1-1-1-2) | 安全確認→声かけ・説明→環境整備(防水シートを敷く、衝立を立てる、ポータブルトイレを適切な位置に置くなど)→立位をとり脱衣(失禁の確認)→ポータブルトイレへの移乗→排便・排尿→後始末→立位をとり着衣→利用者の清潔介助→元の場所に戻り、安楽な姿勢の確保→ポータブルトイレの後始末→ヘルパー自身の清潔動作。 | 衝立などで人目を遮る準備。移乗の時の立ち位置。ポータブルトイレの置き場所が利用者ごとに決まっているか。 |
| おむつ交換(1-1-1-3) | 声かけ・説明→物品準備(湯・タオル・ティッシュペーパー等)→新しいおむつの準備→脱衣(おむつを開く→尿パットをとる)→陰部・臀部洗浄(皮膚の状態などの観察、パッティング、乾燥)→おむつの装着→おむつの具合の確認→着衣→汚れたおむつの後始末→使用物品の後始末→ヘルパー自身の清潔動作。場合により、おむつから漏れて汚れたリネン等の交換。必要に応じ、水分補給。 | 皮膚の状態で何を見て、変化があった時に誰へどう伝えるか(サービス提供責任者・看護職員など)。おむつの当て方と、漏れの確かめ方。 |
| 見守り的援助(1-6) | 自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助の例として、ベッド上からポータブルトイレ等(いす)へ利用者が移乗する際に、転倒等の防止のため付き添い、必要に応じて介助を行うこと、認知症等の高齢者がリハビリパンツやパット交換を見守り・声かけを行うことにより、一人で出来るだけ交換し後始末が出来るように支援すること、を挙げています。 | 手を出しすぎずに見守る場面と、介助に切り替える目安を、訪問介護計画と合わせて確かめる。 |
平成30年の改正より後に老計第10号が改正されたかは、この記事では確認していません。移乗の前後の転倒は「転倒予防研修の組み立て方」、おむつ交換の前かがみの姿勢による腰の負担は「腰痛予防研修の組み立て方」の記事で扱っています。
感染対策:手引き第3版の「排泄介助(おむつ交換含む)」
「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」(令和5年9月・印字27ページ)は、排泄介助(おむつ交換含む)について、次のとおり示しています。研修の手順の確認で、手袋・エプロンの着脱と手指衛生を一緒に行うと、手順の中に入ります(当社の整理)。
- 便等の排泄物には病原体が混入している可能性を考慮し、介護職員や看護職員等が病原体の媒介者とならないよう、特に注意が必要です。
- おむつ交換は、排泄物に直接触れなくても必ず使い捨て手袋とエプロン(または長袖ガウン)を着用して行うことが基本です。手袋やエプロンは1ケアごとに取り替え、手袋を外した際には手指衛生を実施します。
- おむつ交換車の使用は、感染拡大の危険性が高くなります。個々の利用者の排泄パターンに対応した個別ケアを行うように心がけます。
- 訪問系サービスでは、着用していたおむつを利用者から外したあとは速やかにビニール袋に入れる等、まわりの物品等が汚染されないように行動します。
- 同じページの食事介助の項は、介護職員が利用者の排泄介助後に食事介助を行う場合は、液体石けんと流水による手洗いの徹底が必要としています。
尊厳とプライバシー:排泄の場面を研修で取り上げる
介護老人福祉施設の運営基準は、基本方針で、入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立ってサービスを提供するように努めなければならないとしています(平成11年厚生省令第39号 第1条の2第2項)。解釈通知も、介護サービスの提供は入所者の人格に十分配慮して行うことが基本としています(前の節の(1))。排泄の介助は、羞恥心やプライバシーにかかわる場面が多いので、研修で具体的な場面を取り上げます(当社の整理)。
- 話し合う場面の例(当社の整理):トイレや居室の戸を開けたまま介助していないか/排泄の失敗を、ほかの利用者に聞こえる声で伝えていないか/本人の排せつの状況より、職員の都合の時刻でおむつ交換をしていないか/同性介助の希望を確かめているか。
- 排泄介助の場面の不適切なケアは「不適切ケアに気づく研修の組み立て方」、身体拘束に当たる行為と3要件は「身体拘束の3要件」の記事で扱っています。
60分の時間割(当社の整理)
夜勤だけの職員、パート、登録ヘルパーも排泄の介助に入るので、対象に含めると確実です。全員が集まれない時は、同じ資料で日を分けます(当社の整理)。
| 区分 | 時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 導入 | 5分 | 目的(運営基準の「排せつの自立」の援助と、おむつの適切な取り替えを日々のケアでどう満たすか)、話し合いの約束(利用者が特定される情報を出さない)。 |
| 講義 | 10分 | 自サービスの運営基準の条文と解釈通知の読み合わせ(特別養護老人ホームなら老企第43号 第4の11(3)(4))。排せつ支援加算を算定する施設は、評価の4項目(排尿・排便・おむつ・尿道カテーテル)と、支援計画に書かれた支援の内容。訪問介護は老計第10号の排泄介助の流れ。 |
| 記録を読む演習 | 15分 | 自事業所の排泄の記録(時刻・量・失敗の有無)を、利用者が特定されないように加工して配り、トイレ誘導の時刻とおむつ交換の時刻の案をグループで作って比べる。 |
| 手順の確認 | 20分 | トイレ誘導・ポータブルトイレ・おむつ交換の手順を、上の老計第10号の表と自事業所の手順書で確かめる。手技は看護職員や外部の講師の指導で、ベッドとポータブルトイレを使って行う。手袋・エプロンの着脱と手指衛生も含める。 |
| まとめ | 10分 | 直すことを1つ決める、確認テスト、実施記録。 |
時間割は当社の整理で、告示・通知に定めはありません。記録を読む演習で使う記録の加工と持ち出しの扱いは、「介護の個人情報保護研修」の記事を参考に、事業所の決まりに沿ってください。
記録に残すことと、よくある抜け
排泄ケアの研修は法定研修ではありませんが、記録を残しておくと、研修の機会を確保したことや、排せつ支援加算の支援計画を職員に伝えたことを後から示す材料になります(当社の整理)。
- 実施記録(当社の整理):日時、参加者(夜勤だけの職員・パート・登録ヘルパーを含む)、講師、扱った条文と手順、確認テストの結果、決めた直すこと。研修の記録の項目は「介護の研修記録の書き方」の記事でまとめています。
- 確認テストの例(当社の整理・○×):「特別養護老人ホームの解釈通知は、おむつ交換はできるだけ頻繁に行うものとしている」(×)、「排せつ支援加算の告示の基準には、職員研修の要件がある」(×)、「国のQ&Aは、尿失禁パッドを用いた排せつを前提としている場合は、おむつに該当するとしている」(○)、「感染対策の手引きは、排泄物に直接触れない場合でも、おむつ交換は使い捨て手袋とエプロン(または長袖ガウン)を着用して行うことを基本としている」(○)。
- よくある抜け(当社の整理):おむつ交換の時刻が全員同じで、一人ひとりの排せつの状況の記録が使われていない/夜勤だけの職員が研修を受けていない/排せつ支援加算の支援計画の内容を介護職員が知らない/手袋・エプロンを複数の利用者で続けて使っている/皮膚の変化に気づいた時の伝え先が決まっていない。
- 日々の排泄の記録の書き方は「介護記録の書き方」、年間の研修の並べ方は「介護の年間研修計画の立て方」の記事でまとめています。
この記事で確認した一次資料
2026年11月5日に、次の資料の本文を取得し、該当箇所を確かめました。法令や国の資料は改訂されます。加算の算定の可否は指定権者にご確認ください。本記事は法的助言・医療上の助言ではありません。
- 省令(e-Gov法令API):平成11年厚生省令第39号 第1条の2・第13条・第24条・第43条、平成11年厚生省令第40号 第18条・第44条、平成30年厚生労働省令第5号 第21条・第48条、平成11年厚生省令第37号 第29条の2・第30条・第130条・第140条の8・第150条・第155条の7・第185条、平成18年厚生労働省令第34号 第78条・第99条・第120条・第139条・第163条、平成18年厚生労働省令第35号 第145条・第161条・第200条・第212条・第248条。
- 解釈通知:老企第43号 第4の11(厚生労働省の法令等データベースの現行本文)。
- 告示:厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)の第71号の3(法令等データベースの現行本文)。
- 留意事項通知:老企第40号の令和6年度改正の新旧対照表(別紙2)の第2の5(42)・第2の6(45)・第2の8(39)(印字56・57・71・99ページ)。
- 国のQ&A:介護保険最新情報 Vol.952(令和3年3月26日)の問101〜問103(印字64ページ)、Vol.1225(令和6年3月15日)の問177(印字107ページ)。
- 訪問介護:老振発0330第2号(平成30年3月30日)の新旧対照表の改正後の欄(印字3・7ページ)。
- 感染対策:「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」(令和5年9月)の印字27ページ。
この記事を書いたチームは、note でも介護の仕事で考えたことを書いています。note をフォローする
出典(一次資料)
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)
- 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)
- 指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第35号)
- 厚生労働省 法令等データベース「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について」(平成12年3月17日 老企第43号)=介護(基準省令第13条)の排せつの介護とおむつ交換(第4の11(1)(3)(4))の本文
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年厚生労働省告示第95号・法令等データベース)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(老企第40号)令和6年度改正の新旧対照表(別紙2・抄)
- 介護保険最新情報 Vol.952(令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)・令和3年3月26日)
- 介護保険最新情報 Vol.1225(令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)・令和6年3月15日)
- 厚生労働省老健局振興課長通知「「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の一部改正について」(老振発0330第2号・平成30年3月30日・老計第10号の新旧対照表=改正後の本文・PDF)
- 厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」(令和5年9月・PDF)
【免責事項】本キットは研修実施の参考資料です。法令・運営基準・介護報酬の内容は改定されることがあります。実際の運用にあたっての最終確認は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へのご確認をおすすめします。本キットの利用により生じた損害について、当社の損害賠償責任は、故意・重過失を除き購入代金の額を上限とします。