研修の理解度確認テストの作り方|義務ではないが「実施の証拠」になる設計指針
更新日:2026-08-10・約5分で読めます
研修のあとに行う理解度確認テストは、法令が義務づけているものではありません。しかし、レジュメを読み上げただけで終わらせず、職員が内容を実際の場面で使えるようになったかを確かめ、実施の証拠を厚くする手段として役立ちます。本記事では、そのまま使える完成テストではなく、確認テストを自事業所で設計するときの考え方を解説します。テーマ別の完成した確認テスト(10問・解答解説つき)は、各研修キットでご利用いただけます。
まず結論:理解度確認テストは義務ではない。ただし「実施の証拠」として価値がある
本サイトで裏取りしている法定研修の運営基準・改定資料のいずれにも、研修のあとに理解度確認テストを実施することを義務づける規定はありません。「テストをしないと減算される」「テストの実施そのものが義務」ということはありません。
一方で、運営指導(実地指導)では、研修が計画どおりに実施され、その記録が揃っているかが確認されます。確認テストの結果は、レジュメを読み上げただけでなく「職員が内容を理解したか」まで確かめた記録として残せるため、実施の証拠を厚くする手段になります。義務だからではなく、当社としてこの活用をおすすめしています。
何を確認するテストにするか——「覚えたか」でなく「自事業所の場面で判断できるか」
確認テストの目的は、レジュメの文言をそのまま暗記できたかを試すことではありません。実際の場面で「この対応でよいか」を職員自身が判断できるかどうかを確かめることが本来のねらいです。設問を作るときの考え方は次のとおりです。
- 単純な正誤問題だけにせず、具体的な場面を想定して「まず何をするか」を選ばせる形式の設問を混ぜる。
- 解答・解説には、答えがレジュメのどの部分に書かれているかを示し、後から本人が読み返して辿れるようにする。
- 自事業所の実際の運用(指針や相談窓口の場所など)に関する設問を1問は入れ、暗記だけでは答えられないようにする。
採点と保管の実務——点数は評価の道具にしない
テストを実施したら、その場で回収して採点し、結果を実施記録に添付して保管します。後日まとめて採点しようとすると、誰が受けたか・誰が未受験かの管理が煩雑になります。
点数を職員の評価や人事考課に使うことは避けてください。点数が低いと不利益になると分かれば、正直な回答が出にくくなり、理解度を正しく把握できなくなります。研修の目的は、できていないところに気づき次に活かすことであり、職員を選別することではありません。
欠席者・新規採用者にもテストで理解度をそろえる
当日欠席した職員や、年度途中で採用した職員にも、同じテストを使って理解度を確認しておくと、全員が同じ水準で研修を受けたことを記録から示せます。実施日が定期研修とずれる場合は、その旨を実施記録に明記しておきます。
設問数・出題形式の目安——本サイトの研修キットは10問
確認テストの設問数に法令上の定めはありません。本サイトの研修キットでは、1回の研修(約30分のレジュメ)に対して10問を目安にしています。研修時間に対して長すぎず、主要な論点を一通り確認できる分量として設定したものです。自事業所で独自にテストを作る場合も、研修時間とのバランスを踏まえて設問数を決めてください。
出題形式は、正誤(○×)だけでなく、選択肢から選ぶ形式を組み合わせると、単純な勘での正解を減らせます。特に「次のうちどれを最初に行うか」のように、複数の選択肢の中から最も適切な初動を選ばせる設問は、暗記でなく判断力を確認しやすい形式です。
- 正誤(○×)形式:定義や基本ルールの確認に向く。
- 選択式(複数の選択肢から1つ):場面に応じた対応の判断力を確認しやすい。
- 記述式:自由記述は採点者の負担が大きく、複数事業所での運用には不向き。
確認テストは研修記録セットの一部という位置づけ
確認テストの実施義務はありませんが、研修そのものの実施は運営基準上の義務です。たとえば「勤務体制の確保等」の規定(指定居宅サービス等の基準37号第30条第3項、指定介護老人福祉施設等の基準39号第24条第3項など)では、事業者に研修の機会を確保することが求められています。確認テストは、この研修が実際に行われ、内容が職員に伝わったことを示す記録の一部として位置づけられます。
レジュメ・出席簿・確認テストの結果・実施記録は、単独ではなくひとまとまりの記録セットとして保管すると、運営指導での説明がしやすくなります。確認テストだけを独立させて評価するのではなく、「いつ・誰が・何を学び・どの程度理解したか」を一続きの記録として示す、という位置づけで運用してください。
設問の見直しのタイミング
確認テストは一度作って終わりではなく、レジュメの内容を見直したタイミングで設問も更新します。法令・介護報酬は改定されることがあるため(本記事の免責を参照)、レジュメの記述を修正した際は、対応する設問や解答・解説も古い内容のままにならないよう、あわせて確認してください。
見直しの際は、変更点をレジュメの改訂履歴とあわせて記録しておくと、いつの時点の内容で研修・テストを実施したかを後から確認できます。
完成した確認テストは研修キットでご利用いただけます
本記事は確認テストの作り方の考え方を解説するもので、そのまま研修に使える完成テストの掲載はしていません。テーマ別(虐待防止・身体拘束・感染症・BCPなど)の確認テスト10問(解答・解説つき)は、本サイトの各研修キットでご利用いただけます。登録不要・無料で、実施記録様式・出席簿とあわせてそのまま印刷できます。入力内容はお使いのブラウザ内にのみ保存され、外部には送信されません(zero-retention)。
法令・介護報酬は改定されます(本記事は2026年7月時点)。最終的な適用は指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へご確認ください。
出典(一次資料)
【免責事項】本キットは研修実施の参考資料です。法令・運営基準・介護報酬の内容は改定されることがあります。実際の運用にあたっての最終確認は、指定権者(都道府県・市区町村等の自治体)へのご確認をおすすめします。本キットの利用により生じた損害について、提供者は責任を負いかねます。